ギャラリー

追憶

夢にあの人が現れた。僕はあの人の名前も声も覚えていない。あの人だ。


小学2年生の時に引っ越しをした僕は

転校する前の記憶がほぼない。特に深い理由はないのだが

なぜか闇の中に葬りさられていて、どんなに努力しても

救い上げることができない。



きっと人間という生物の定めなのだろう。

記憶というものは消える。


しかし、その中で、僕の記憶に残り続ける人物がいる。

その人の名前も顔もわからないし、なんなら声もわからない。

不思議に思うだろうが、当時の僕も不思議だった。



なぜなら、その子は全く喋らない子だったから。

本当に学校では一言も発さなかった。なぜ声を発さなかったのか

理由など知らなかったが、僕は感動していたのを覚えている。




今まで知らない生物にあった感覚だった。震えた。仲良くなろうとした。

でも、仲良くはなれなかった。あらゆる手段を使っても仲良くなれなかった。

それは僕の友達という関係の中で、1番の失敗体験だった。


だからこそ、あの子を忘れられないし、あの子を記憶の中で追いかけ続けている。


きっと今は言葉を発しているだろうが、いつかその子と出会って

笑顔で世間話でもしたいものだ。

そうすれば、思い出せない記憶も

たくさん出てくるかもしれない。人間とは

そういう都合の良い生き物なのかもしれない。。



でもそれを実行に移さないのは、理想が壊れてしまうのが怖いのかもしれない

闇の中に手を入れたくないのかもしれない。

追憶から逃げている生き物なのかもしれない。





あなたも、そんなことがあるかもしれませんね、、










追憶 2020/9/11

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Read more

続きを読む