大吉

子どもの頃、毎年初詣でおみくじを引く

家族の恒例だった。お爺ちゃんがやたら行きたがる。

「おめでとうございます!大吉です!」

巫女さんのこの言葉に、まだ小さかった僕は

大喜びだった。

お爺ちゃんの運が悪く、毎年のように凶や大凶だった。

大吉ばっか引く僕は、お爺ちゃんを貶していた。笑

でも、お爺ちゃんは笑顔だった。

年月は流れ、僕がちょうど思春期に突入した時

おみくじを引きに行くのを誘われたけど

めんどくさいと言って断った。それ以来

おみくじを引きに行かなくなった。

そしてさらに年月は流れ、家を出てから5年くらい経った時

僕にも息子ができた。息子が初詣に行きたいというので

連れて行っておみくじを引かせてあげた。

文字も読めない息子は何かわからないけど

結果を貰えたことに対して大喜びしていた。

それをみて、とても幸せな気持ちになった。

あ、そういうことだったんだな。

家に帰り、仏壇に手を合わせて

「また初詣行こうね」

お爺ちゃんの写真が少し微笑んだ気がした。